香典とは「故人の霊を供養する為の香の代金」という意味を持ちます。香典袋は故人様の宗教・宗派の違いによって種類が異なるだけでなく、包む金額によっても選ぶべき種類が変わってきます。また、香典袋に書く事柄は主に「名前・住所」「香典の金額」「表書き」の三つですが宗教・宗派により書くことにも違いがありますので注意が必要です。

香典袋の種類

香典袋の種類は多種多様です。店頭でよく見かける香典袋の中から代表的な種類を挙げるとすると「水引が印刷されている種類」か「実際に水引糸を使用している種類」が挙げられるでしょう。その種類の違いにより販売価格も数百円から数千円と価格の幅もありますが、見た目が豪華で販売価格が高いものを選ぶ方が良いのではないかと考えてしまいがちですが、香典袋を選ぶ場合には、簡素で販売価格が安価なものの方が良いという場合もあります。
香典袋には、水引が印刷されている物か本物の水引糸を使用しているなど種類があるとお伝え致しましたが、水引の色や結び方にもいくつかの種類があり、冠婚葬祭において使用する水引の色は「金・銀(白)・紫・赤・藍・緑・黄・黒」となり、弔事の際に適切な色は、銀(白)・藍・黒となります。水引の結び方の主な種類は「結び切り」と「あわじ結び」の二種類で弔事の際には「結び切り」がふさわしいとされています。その理由については、結び切りは一度結んだらほどけない結び方である為、二度と不幸が起きないようにという願いを込めているとされています。あわじ結びは一般的に結婚式などの慶事で使用しますが、一度結んだらほどけない結び方である点は結び切りと変わりがないので、一部の地域では弔事の際にも使用できるという考え方もあるようです。


宗教・宗派ごとの香典袋

仏式の香典袋
基本的には御霊前もしくは御香料という表書きを使用するのが一般的とされています。
四十九日の法要が終わった後の弔問の場合であれば御仏前を使用します。
同じ仏教でも「浄土真宗の場合には御霊前は使用しない」
故人の宗派がどこなのかが分からない場合には、ご香典を使用すると無難です。
水引は結び切りを使用し、包みは無地の他に蓮の絵柄がついたもの。
香典袋を選ぶ際には、包む金額に見合うものを選ぶというのが作法になります。
包む金額が一万円以下の場合は水引糸を使用しているものは失礼に当たるので避けましょう。
一般的な社会通念として香典の金額は十万円までがよいとされていますので、
十万円以上を包むという事はごくまれなケースです。
  • 包む金額が三千円~五千円までの場合は、水引は印刷されている物を選ぶ。
  • 包む金額が五千円~一万円までの場合は、藍銀の水引が印刷された物を選ぶ。
  • 包む金額が一万円~三万円までの場合は、黒白の水引糸をかけた物を選ぶ。
  • 包む金額が三万円~五万円以上の場合は、双銀の水引糸をかけた中金封を選ぶ。
  • 包む金額が十万円以上の場合には、ひと回り大きい大金封という香典袋を選ぶ。
神式の香典袋
御玉串料・御榊料という表書きを使用する場合があります。
白無地の包みがある香典袋を選び、蓮の絵柄は使用しません。
五十日までは「御霊前」を使用、五十日以降は「御神前」を使用します。
水引の種類は双白・双銀・黒白の結び切りを使用し、
五十日までは黒白・黄白・双銀・双白を使用、一年祭以降では黒白を使用しません。
キリスト教の香典袋
御花料・御ミサ料の表書きを使用するのが一般的です。
水引がなく無地や十字架・白百合の花が印刷されている香典袋を選びます。
※例外として水引を使える場合もあります。
御花料はカトリックとプロテスタント両方の宗派で使用できます。
御ミサ料・御霊前使用するのはカトリックの場合のみ。
プロテスタント独特の表書きとして弔慰金があります。

金額の書き方

香典袋に金額を記載する際には、裏面の右下に分かりやすく書きます。金額の書き方は数字を漢数字の旧字体を使うのが基本です。使用頻度が高い漢数字の旧字体を下記に記載しますので参考にして下さい。例えば、金額が一万円なら「金壱萬圓」、五千円なら「金伍仟圓」と記入します。過不足なく丁度の金額を入れている事を表わす「金伍仟圓也」というように「也」を最後に付けても良いでしょう。

  • 一 → 壱
  • 三 → 参
  • 五 → 伍
  • 千 → 仟
  • 万 → 萬