通常であれば、香典は個人で包むものですが会社によっては香典を有志で包むこともあり珍しい事ではありません。

通常の香典とは名前の書き方も異なってきますので、事前に有志で香典を包む場合のマナーについて知っておくと良いでしょう。

また、遠方であったり事情があって参列できない場合にお香典を持参出来なかった場合、参列はできなくともお悔やみの気持ちを示したい場合は弔電や香典を郵送するという方法があります。香典を郵送すること自体は失礼にはなりませんがマナーを守らずに送ってしまうと遺族へ負担をかけてしまう場合もあります。

今回の記事では、香典を郵送する場合や有志で包む場合の知識について詳しくお伝え致します。

香典の送り方や手続きについて

香典を郵送で送る場合には、現金を入れた不祝儀袋とお悔やみの言葉を書いた便箋を入れます。不祝儀袋へ入れるお札は新札やシワシワのお札を入れるのは失礼になりますので、新札ではなく折り目のあるお札を入れます。不祝儀袋に現金を入れたら、表書きや中袋へ住所や氏名等を記入しましょう。現金書留の封筒にも住所・氏名を記入しますが、不祝儀袋にも書く必要があります。現金書留の封筒は不祝儀袋も収まる大きさの物がありますのでそちらを使用しましょう。なお、この際に注意が必要になるのが現金書留の封筒に直接現金を入れる事はしないという点です。現金書留の封筒などが分からない場合は郵便局で聞くようにして下さい。お悔やみの言葉を記入する便箋は重ね重ねという意味にならない様に一枚だけ使用し、はがきなどではなく白い便箋が好ましいです。便箋を封筒に入れたい場合には明るい色や柄のついたものは避け暗めの色を使用し、二重になった封筒はやめましょう。お悔やみの言葉を記入する際は文章中に忌み言葉が入らないようにし、ペンや万年筆でも問題ありませんが墨を使用する場合は薄墨で書くのがマナーです。また、故人のご家族とは面識がない場合には自分が誰で故人とどのような関係なのかを記しておくと受け取った遺族が悩む事が無いので記しておくと丁寧です。

お香典の事情について

不祝儀袋とお悔やみの言葉を書いた便箋を現金書留に入れたら、郵便局の窓口で郵送手続きを行います。送る金額と重量により郵送料が変動しますので必ず窓口での手続きが必要です。多くの郵便局の窓口は平日しか開いていませんが、土日祝日にゆうゆう窓口が開いている支店へ行けば土日であっても郵送する事が可能です。

香典を郵送する際なるべく早い方が良いと思われがちなのですが、お葬式前後は非常に忙しい時期なのでかえって負担になってしまう場合があるので「お葬式後の一週間以内」に到着するよう郵送するのが無難です。かといってお葬式の清算や香典返しなどの一連の作業は三十五日前後で落ち着く事が多いので一月以上後になると再度手間が増えてしまい迷惑をかける事になりかねませんので遅くても一カ月以内には到着するように送りましょう。

香典の送り先についてですが、必ず喪主の自宅へ郵送しましょう。斎場などへ香典を送ってしまうと、現金書留は日時指定が出来ないので届いた際に遺族の方が必ずしも斎場へ居るとは限らないからです。現金書留は必ず受取主に手渡す物なので受取人が不在の場合は郵便局側が持ち帰る為、再配達や引き取りに出向かう手間が増えてしまいます。

香典の送り方や手続きの重要なポイント

今回の記事では、お香典を郵送する場合の注意点などを詳しくご紹介致しましたが再度重要なポイントを簡潔にまとめましたので是非最終確認に役立ててください。

  • 香典を送るタイミングはお葬式後一週間以内に送りお葬式前後には送らない
  • 遅くとも一カ月以内に送る
  • 香典の送り先は喪主の自宅へ郵送し、斎場へは郵送しない
  • 不祝儀袋にも住所や氏名を記載する
  • 現金は折り目のあるお札を使用し、現金は新札やシワシワのお札は使用しない
  • お悔やみの言葉を書く際は便箋は白い便箋一枚に忌み言葉がないように記入する
  • 墨を使う場合は薄墨を使用する
  • 封筒を使う場合は一重の封筒を使用する
  • 香典の送り方は不祝儀袋に現金とお悔やみの言葉を入れ現金書留で送る
  • 送る際はポストに投函せず郵便局の窓口から郵送する
  • 現金書留に直接現金を入れない

といった点が重要なポイントとなります。香典は故人の霊前に供える金品の事で故人への供養の気持ちを表現するものですから、本来ならば香典は不祝儀用ののし袋に入れ通夜やお葬式の場に持参する物ですが何らかの事情があって参列できない場合は香典を最低限のマナーを守りながら郵送で送るようにしましょう。

重要なポイント

有志などの連名で集める場合のポイント

まず初めに、職場の有志が連名で香典を包む場合の香典の集め方と金額の相場についてお伝えしていきます。まずは香典の集め方についてですが、職場の方で香典をまとめる場合には同じ部署の全員が香典を出す場合と有志のみ香典を出す場合があります。

職場の方に不幸があった際には全員でまとめて香典を出す場合があると思います。ただし全員でまとめて出すと言っても、強制ではなく個人として出すものですので全員が納得して集められる方法にしなければなりません。一般的な香典の金額の決め方としては、役職ごとに金額の相場を決める場合と役職に関わりなく全員で割り勘にする場合などがあります。それぞれの職場の状況や過去のケースに応じて最も良い方法を決めると良いでしょう。

有志などの連名で集める場合のポイント

また近年では、全員でまとめて香典を出すことはしないという会社も増えてきています。しかし、同じ職場の関係者のご不幸ですから弔意の気持ちとして香典を募り纏めて届けるという例は多いと思います。

有志を募る際には少人数であれば口頭で伝える方が分かりやすく良いのですが、人数が多い場合などにはメールなどを使用して呼びかけても良いでしょう。

金額の相場については香典を有志でまとめる場合にも「各々の香典金額は個人で包む場合と同じ」という考えもある一方で金額が少ない場合も多いです。具体的には個人で香典を包む場合は少なくとも三千円から五千円程度を包む場合が多いと思いますが、有志で包む場合には一人あたり千円から二千円程度の場合も多くみられるケースです。

まとめた香典の総額は、ある程度区切りの良い数字で忌み数にならないように心掛けた方が無難です。

連名で出す香典袋の書き方のポイント

香典を有志で包む際に一番注意すべき点は名前の書き方と言えます。集まった人数により書き方が変わるという点だけではなく、集まった人達の間柄・年齢によっても注意しなくてはならない点があります。

香典で名前を連ねて書く事が出来るのは多くても三名までとなります。二名あるいは三名までの連名の具体的な書き方は、表書きの下段に全員のフルネームを書きます。

二名の場合には互いの氏名を中央に合わせるのではなく、中央部にまず一人分のフルネームを記入しその左側へ二人目のフルネームを記入し中央部から順に左に書いていくようにしていきます。二名の連名で書く機会は夫婦で香典を包む際が一番多いと思いますが、その場合であれば夫のフルネームを中央部に記入し、その左側に妻の名前のみを記入しましょう。妻の旧姓を書く必要がある場合には、妻の名前の横に(旧姓)といってように記入しましょう。友人同士や職場の方との二人での連盟の場合などは個人で香典を包むのが本来であれば好ましいのですが、友人同士の連名で香典を包む場合は年齢順か五十音順で記入し、職場の方との連盟で香典を包む場合は立場が上の方を先に記入しましょう。

三名の場合でも連名の際と同様に中央部から順に左にフルネームを記入していきます。この際字の大きさには注意しましょう。

中袋の裏面には住所と氏名を記入し二名までは互いの住所と氏名を中袋に直接記入しますが、三名の場合には別紙に表書きと同様の順に一人ずつ住所と氏名・包んだ金額を明記して同封します。

四名以上になると全員の氏名を書くスペースを確保するには字をかなり小さくしなければならないので実用的ではありません。ですから四名以上で香典を包む場合は、趣味の集いなどの仲間内で包む際には「◯◯サークル一同」または「○○サークル有志」といった様に表書きにはグループ名に一同または有志と記入し個人名は住所・包んだ金額と合わせて別紙に明記します。基本的には年齢順か五十音順で記入するようにしますが立場が明確に存在している場合には目上の方から順に記入しましょう。

会社名で包む際には、部署単位にするのか代表者を立てるのかによってで書き方が変わってきます。部署単位の場合では表書きに「会社名・部署名+一同」といったように記入し、別紙で役職順の名簿を作りましょう。

代表者を立てる場合は「会社名・代表者名+外一同」と記入しますが、外一同は代表者名の左下に名前よりも小さく書くようにしましょう。外一同を「外◯名」と記載することも可能です。

代表者を立てた場合にも役職順の名簿を別紙で作成します。

最後にまとめと注意点

一同や有志で香典を包む際には表書きの書き方以外にも注意する点があります。例えば芳名帳に書く名前についてですが、皆で用意した香典はその中の一人が代表で通夜や葬儀に持参します。皆の代表で参列した場合には、個人の氏名などは香典の中袋や名簿に記してあるので芳名帳に記入しなくても問題ありませんので、香典の表書きがどのようなものであっても芳名帳には参列した方の氏名と住所を書きます。

友人や仲間内の有志や一同で香典を包む場合には香典を包んだ成員で参列を考える場合もあるかもしれませんがその場合には、個々で香典を包む方が望ましいです。

主な理由として、香典返しは通常であれば葬儀後に渡される物ですが、近年では当日返しも珍しくはありません。

香典返しは一般的には香典の1/3程度を目安に二千円~三千円程度を目安に用意されますので、一人当たりの包んだ金額が香典返し同等またはそれ以下であった場合にはご遺族の負担になってしまいます。ですから葬儀に参列するのであれば個別で香典を用意するようにしましょう。

もしくは香典返しの辞退を事前に申し出ておくようにしましょう。その際にはその旨を香典袋に記しておきましょう。

人数が多い場合や会社関係となると、香典の代わりに供花や供物を送る場合も増えてきます。その際にはのし紙等に書く氏名は香典袋と同様になりますが、送る際の注意点があります。ご遺族が供花や供物を辞退されていないかという点を確認することは勿論、花選びは宗教ごとに注意が必要です。

仏式や神式では主に白または黄色の菊・蘭・百合が好ましいとされています。仏式では故人の好きだった花を送る場合もありますが華やかなものは避けましょう。

キリスト教では白ユリや白いカーネーションが好ましいとされています。

また、供花は生花のみとなっている点や教会ではなく自宅へ送る点も大きな注意点です。花選びに迷った場合には指定の花屋もしくは葬儀会社に尋ねましょう。