家族葬における受付

家族葬での受付についてお伝えしていく前に、そもそも受付が必要なのかという点ですが、結論からお伝えすると家族葬自体が家族や親交のある親族数名で行う小規模の葬儀であるため受付は必ずしも必要ではありません。
そもそも参列する人数が少ないので参列者を喪主が招待する時点で把握できますし、香典のやりとりも直接行えます。ただし家族葬であっても、場合によっては招く方も様々ですから故人の親しかった友人や知人を招いたり普段あまり親交のない遠縁の親戚などを複数人招いたりする場合には、直接会ったことのない方や故人以外が面識のない方などが参列する可能性もあり葬儀後の香典返しやお礼などもありますから、どなたが参列されたのかは記録しておく必要があります。その為、記帳を行う受付を設置しておくのが無難でしょう。
また、家族葬の受付は誰にお願いするのが適切なのかという点ですが、家族葬の受付には誰がやらなければならないという明確な決まりはありません。しかしここで注意が必要なのが、葬儀当日の流れを考えると直系の親族は遺族席に座るという点から受付の仕事を行うことは物理的に難しいという事です。その点を踏まえると家族葬の受付は故人と血縁の遠い親族に依頼するのが適切と言えるでしょう。

お葬式の豆知識

受付の仕事内容や謝礼

家族葬と一般葬での受付の仕事には大きな違いはありませんが、受付での仕事の流れや注意点を簡潔にお伝え致します。
まず受付係として最初に行う事としては、参列者の方への挨拶です。この際には笑顔や明るいトーンでの挨拶は控え、普段よりも落ち着いたトーンでの挨拶が適切です。弔問客が訪れたら「本日はお忙しい中 お越しいただきありがとうございます」と感謝の言葉で挨拶をします。また、葬儀の場では忌み言葉を避けるのがマナーですから、会話した際にうっかり忌み言葉を使わない様に事前に確認しておきましょう。受付係は遺族の代理人ですから弔問客に対し失礼のないよう心がけましょう。次に受付の仕事の中でも非常に重要な仕事となる、香典を受け取り金額を記帳するという場面ですが、こちらはお金が関わる仕事ですから後々のトラブルにならないよう丁寧かつ確実な対応を一層心がける必要があります。
弔問客から香典を渡された際には必ず両手で受け取ります。香典に書かれた名前が達筆であったり等した場合には失礼のないようにお名前を伺いフリガナを振っておくと後に遺族の方が確認する際に助かります。香典を預かり中身を確認した後には金額を記帳します。香典を頂戴した後は参列客に芳名録へ記入してもらいましょう。芳名録とは、葬儀に参列された人の名前や住所などの情報を記録しておく名簿のようなもので、葬儀の後に遺族の方が参列者へ香典返しをする際に使われますから記入漏れや文字が読めないということのない様にしっかりと管理しましょう。芳名録にお名前を記入してもらった際には、後の会計処理の効率を考え、お名前と香典に通し番号を振っておくなどすると良いでしょう。また、他の方から香典を預かってくる方もいらっしゃいますからその場合には預けた方のお名前も含めて名前を記入してもらうと丁寧でしょう。
次に返礼品を渡す場面についてですが基本的なお渡しのタイミングは、受付にて芳名録への記帳の後が一般的です。その他にも、お焼香が終わった後にお渡しする場合や会食後にお渡しする場合など様々なケースがありますからその状況に合わせて柔軟に対応しましょう。なお、お渡しする際には一言「ありがとうございます」など添えてお渡しします。
最後に弔問に訪れた方に会場への案内を行います。一般的には、受付は会場のすぐ近くに設置される事が多いのですが、葬儀を行う場所によっては受付と会場が離れている場合もあります。一般葬では受付とは別で案内役が用意されているケースもありますが、家族葬は規模が比較的小さいですから必ずしも案内役を用意できるとは限りませんので、受付でも口頭で案内ができるように、事前に施設内の配置関係を頭に入れておくとスムーズでしょう。

受付係は葬儀において非常に重要な役割となります。一般葬と比べると家族葬は所要時間が短いのですが、訪れた弔問客への最初の案内や香典などのお金のやりとりも発生します。ですから、基本的には受付役をしてもらった場合には謝礼を払うのが適切と言えます。受付業務は弔問客とのやり取りや芳名録の管理、香典のやり取りなどの多岐に渡って気を配る場面が出てきます。更に葬儀という特殊な場面である事に加えお金の管理も行う事になりますから、より細かいところにまで目を配る必要があり緊張缶や心労など色々と苦労が掛かる内容です。その様な大変な役目を受けて下さった方に対する感謝の意を表す為にも謝礼は必要でしょう。
謝礼を払う場合はいくらが適切かという点については、具体的な金額としては三千円から五千円程度が相場とされていますが、厳密にいくらという決まりはありませんし地域や土地の慣習によっても大きく違う場合もあります。また、現金ではなくお礼の品をお渡しする地域もあるようですから、親族の年長者の方や葬儀社の担当と相談すると安心です。